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より口語的な表現が増えたという触れ込みの新形式TOEIC。例えば、公式問題集のPart2(応答問題)に登場する“you’d better”なんかは、その一例かなあと思っていた。TEST1の№29。

You’d better call the technician to repair the photocopier.

この文には「技術者を呼んでコピー機を修理してもらうべきです」という和訳が付されており、解説によると、

You’d betterはYou had betterの短縮形で、「~すべきである」と物事を強く勧める表現。

とのこと。

しかし、先週たまたま図書館で手にとったNHKラジオの本『入門ビジネス英語ベストプラクティス 1』に、You’d better をめぐる恐ろしいエピソードが収録されていた。

とある日本企業のNY支社に勤めるHiroが、アシスタントのJoyceに、

“You had better complete all logistical data soon.”

というメールを送ったところ、Joyceさん「なんで私を脅すの?」と激おこ。Hiroは脅すつもりはなかったので、あわてて釈明をし、怒らせてしまった理由を聞いてみたところ、

In a different context, the phrase, “you had better” do something can be a strong suggestion, but in the context of your project and your e-mail message, it sounded like a threat.

“you had better”別の文脈では強い提案になりうるけど、あなたのプロジェクトの話であなたからのメールの中にあったら、脅しに聞こえる、とのこと。

本書の著者の一人であるジョン・ギレスピーさんは、こう解説している。

This pattern has been standard in Japanese English-language textbooks as a polite way to make a suggestion or to give friendly advice. However, it sounds to native speaker of English like a warning or threat.

日本の教科書には、「何かを提案したり、親身にアドバイスしたりした時に使う丁寧な言い方」と出ているが、英語ネイティブにとっては警告か脅しに聞こえると。ひええ。

と、ここで、そういや『一億人の英文法』にも、そんな記述があったかも……ということを思い出したので、ページをパラパラとめくってみた。

あった。

You’d better call the ambulance!
(救急車読んだ方がいいよ!)

You’d best not snitch on us, or we’ll beat you up.
(告げ口しない方がいいぜ。さもないとひどい目にあわすからな)

解説によると、had better(best) の「した方がいい」は、

緊迫感で使われるフレーズです。「宿題やるより遊んだ方がいい」などの、お気楽な「方がいい」ではありません。そうしなければヤバイ。えらいことになる。「さもないと(or else …)」という声が聞こえてくる表現です。
(『一億人の英文法』Part2-CHAPTER 7:助動詞 SECTION8:助動詞相当のフレーズ 365ページ より)

ということで、どうやら“you had better”には、公式問題集の解説にある“「~すべきである」と物事を強く勧める表現”以上の意味があるようだ。少なくとも、コピー機が壊れたぐらいでは使わない方がいいような気がする。NHKの本が出たのが2009年、「一億人」が出たのが2011年で、もしかしてその後事情が変わったのかもしれないけど、私はやめとく。

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