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エコじろう

今年、2017年8月16日に「水銀に関する水俣条約」が発効したというニュースを読んだんだけど、よく分からないんだ。

小秋先生

そうねえ。あの条約に対する日本の姿勢には、よく分からないことがあるわ。

小秋先生

水俣病のような、水銀による深刻な健康被害が再び繰り返されることがないよう、国際的な水銀対策のリーダーシップを発揮していくというのは結構だと思うの。でも、水俣湾の一部には、水銀が含まれた汚泥が未だに眠っているっていうじゃないの。

エコじろう

やや、それは一大事だね!でも、今日聞きたかったのは別のことなんだよね。

小秋先生

なんだそうなの。

エコじろう

う、うん。水俣条約って、2013年に熊本で開催された国際会議で決まったんだよね?

小秋先生

ええ、2013年10月に、熊本県の熊本市や水俣市で開催された、国連環境計画(UNEP)の外交会議で採択されたわ。

エコじろう

あ、それそれ。疑問に思っていたのは、そこなんだ。「採択」とは何かい?「発効」とはどう違うの?

小秋先生

なるほど、「採択」と「発効」の違いね。この区別がついていないと、水俣条約に限らず、eco検定に出題される国際条約を理解したいときに何かと不便だから、説明しておくわね。

エコじろう

うん、よろしくね。

採択と発効の違いって?

小秋先生

まず、今回の「発効」というのは、国際法として効力を持つようになるということなの。例えば、水俣条約の場合、水銀や水銀を含む製品の輸出入が禁止されたり規制されたりするわ。

エコじろう

そうなのか。じゃ2013年10月の「採択」とは何なのかい?

小秋先生

条約の「採択」とは、国際会議などで、各国の代表者が条約の文書について話し合って、みんなが合意したら、それをその会議の全体意見として表明することなの。

エコじろう

ふんふん。

小秋先生

例えば水俣条約だと、国連が2009年あたりから水銀汚染の調査を始めて、水銀リスク削減のための条約を作ったらどうかな?って話になったのよね。

小秋先生

その後、国連の委員会で条文案が作られ、「水銀に関する水俣条約」という条約名が決まったのが2013年1月。で、同じ年の10月の熊本の国際会議でこの条約についての話し合いが行われ、各国の代表者のみんなが「いいね!」って合意したの。これが水俣条約における「採択」よ。

条約の採択

エコじろう

ふうむ、あらかじめ形ができている条約について国際会議で話し合いをして、みんなが賛成することを採択っていうんだね。その時点では効力は発生しないの?

小秋先生

ええ、いちど国に持ち帰って、「わが国はこの条約を締結してもいいですか?」って議会に聞いて承認を得ないとね。新しい法律を作ったり、すでにある法律を改正したりしないと、その条約の内容に対応できない場合もあるし。

条約の批准

小秋先生

ちなみに、ある国が、議会の承認を得て条約締結の意思表示をすることを、条約の「批准(ひじゅん)」と言うわ。

エコじろう

やや、またむずかしい言葉が出てきたなあ。「批准」と「発効」の違いは何かい?

批准と発効の違いとは?

小秋先生

条約は通常、批准をする国、すなわち「うちはこの条約を締結します!」という国がいくつか集まって発効するように決められていることが多いの。例えば、水俣条約の場合は、「50か国が締結してから90日後に発効」と決められていたわ。

エコじろう

なるほど、条約を批准して締結した国が、決まった数以上集まると発効するんだね。

発効

小秋先生

そういうこと。では、最後に「採択」「発効」「批准」の違いをおさらいしてみましょう。

エコじろう

ええと、国連でまとめられた条約について、各国の代表者が国際会議で話し合って、「これはいい条約なのでみんな採用しよう」ということになるのが、採択だね。

エコじろう

その後、会議に参加していた人たちは、それぞれの国に帰って、議会に「こういう条約を締結しようと思う」とお伺いを立てるんだ。承認されたら、批准をするよ。

エコじろう

そして、批准した国が、一定の数以上集まったら、その条約は発効するんだ。

小秋先生

そういうこと!eco検定には、環境に関する条約がたくさん登場するけど、採択と発効と批准の違いが分かっていると、理解がかなりラクになるわよ。

小秋先生

ところでさっきの話だけど、水俣湾のね、チッソ水俣工場が水銀を垂れ流していたあたりは、埋め立てられて公園になっているんだけど、その埋め立て地って、汚染された泥の上に、比較的無害な泥や山の土を盛って、周囲を鋼鈑で囲っているだけらしいのね。大地震とか津波とか来たら、アウトじゃないの?っていう。

エコじろう

(長くなりそうだな……。)

このページの参考資料と補足

参考資料:
環境省_水銀に関する水俣条約の概要
改訂6版 環境社会検定試験eco検定公式テキスト

補足:
なお、条約については、「署名」という段階もあります。ここでは割愛しましたが、eco検定公式テキスト(第6版)の欄外に、さらりと分かりやすい説明が書かれていたので、引用させていただきます。

条約の署名・批准・発効
条約は国際会議などで交渉された後、国際法として効力を持つまでにいくつかの段階がある。国連会議などで交渉の結果合意された文書は会議の最後に採択される。会議の後に、その条約の趣旨に同意する国は署名を行い、その後、国に持ち帰り、議会での承認を経たことを通知することを批准と呼ぶ。また、通常、条約は批准する国が一定程度集まってから発効するように決められる場合が多い。
(改訂6版 環境社会検定試験eco検定公式テキスト 61ページより引用)

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