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「環境の仕事にかかわる人材」というと、野山で植物の調査をしたり、野生動物を保護したり、気象データの研究をしたりという人物を思い描く人も多いと思います。どちらかというと、自然の中や研究室で、知識を活かして、黙々と働くイメージですね。

しかし、環境の仕事はそれだけにとどまりません。再生可能エネルギーの普及を促進したり、顧客に環境への取り組みについてアドバイスしたり、CSRや環境報告書の作成を代行したり、建設やリサイクルの現場で行政とかかわったり。

どうやら黙々とデータや自然と向き合っていればいいというわけではなさそうだ…と思えてきたところで、いいものを見つけました。「エコリク」の「環境ビジネスで働く人に聞く!」。環境ビジネスに特化した求人サイトの一コンテンツです。

環境ビジネスで働く人に聞く!|エコリク

これがサイトのちょっとした彩りかと思いきや、かなりの充実度。25組に及ぶ環境ビジネスの会社の代表者やスタッフにインタビューし、ご本人の経歴や会社の事業内容、欲しい人材、環境ビジネスを目ざす人へのアドバイスなどを聞いています。

この記事では、そんなエコリクの「環境ビジネスで働く人に聞く!」の中から、「今後どういった人物と一緒に仕事がしたいか」という質問の答えをまとめてみました。求められている人材は、意外に共通しています(所属、役職はエコリクの記載に準じます)。

生き物が好きなだけじゃダメ

まずは、「ビオトープ管理士制度」の認定などを行っている日本生態系協会の理事の方のお話。

生き物が大好きで四六時中生き物と自然の中で関わっていたいという人は厳しいですね。

公益財団法人日本生態系協会 理事 堂本 泰章氏

堂本理事によると、同協会は、自然を扱う職場ではあるけど、自然と十分にふれあえる職場ではないかもしれないとのこと。交渉のためにあちこちの機関に足を運ぶことがあったりと、フィールドにいる時間はそう多くないようです。「自然とのふれあい」「黙々と」が好きな人にとっては、知りたくなかった話かも。

コミュニケーション能力は重要

エネルギー、気候、CSRといったジャンルに関わらず、「コミュニケーション能力」を掲げている人が目立ちます。お客様に説明をしたり、関係機関と交渉、調整を行う場面が意外と多いようです。

自分の専門に特化することも大事ですが、お客様とコミュニケーションをとるには、さまざまな視点を持つことが重要です。

国際航業株式会社 技術サービス本部 環境保全部 環境グループ長 鶴間 亮一氏

関係機関と調整する機会は多いですから、コミュニケーション能力と論理的な思考ができる人、この点も重要と考えています。

一般財団法人日本気象協会 事業本部 環境・エネルギー事業部 部長 小玉 亮氏

また、鶴間氏からは、「開発と環境保全との折り合いを上手につけるバランス感覚」が大事とのアドバイスも。確かに、環境を守ることを第一に考えていたら、開発なんかできませんものね。

「論理的」もキーワード

特にコンサルティング的な業務では、「論理的」であるということも、重要な要素のひとつであるようです。

論理的な思考ができる、もしくはそれを苦にしない方達で、積極的に自身を高めていくモチベーションがある人たちが、基本的に求めている人材かと。

マイクライメイトジャパン株式会社 代表取締役社長 服部 倫康氏

正しい文章が書けないと提案書が書けないので、書く力に長けていることが最低限の条件になります。(中略)要は論理的にこういう問題がある、だからこうです、という単純なロジックを書ける人が一番です。大事なのはそこにプラスして自分の意見がちゃんと言えることですね。

株式会社建設技術研究所 環境部 部長 杉本 龍志氏

よくよく考えてみると、論理性は、環境系の企業だけではなくどんな職場においても重要な資質ですよね。実際、服部氏は、環境ビジネスをやっていることはあまり意識していないそうで、「求められる人材は結構普遍的なところ」とも言っています。

専門性や資格は?

ただ、そうは言っても、技術や専門性が要らないということではありません。あって当たり前、という認識であるようです。

T字型人材と呼んでいるのですが、Tの縦棒として深い専門性を持って、その上に環境やCSR、持続可能性といった横棒を持つことが必要だと思います。また、専門性も10年はしっかり掘らなければダメです。

一般財団法人持続性推進機構 専務理事 森下 研氏

基本は「技術屋さん」だと。

求める人材として、基本は技術屋さんですね。当社は技術のわかる人が営業もやります。技術的なバックグラウンドと自分の経験をベースにお客さんのところに行って、お客さんの問題を聞いて提案をするというスタイルなので、技術がわからない営業マンはすぐには使えない。

株式会社エンバイオ・ホールディングス 代表取締役 西村 実 様

なお、資格に関して言及している人は、1名だけでした。とはいえ、採用にあたって「定量的な判断として、ひとつの材料に」なるというのは、参考になりますね。

やはりある程度、資格を持っている方が有利です。 危険物取扱者や環境計量士、公害防止管理者、あとは水質系の資格とかもいいですね。採用する方としては、定量的な判断として、ひとつの材料になります。

ダイヤアクアソリューションズ株式会社 取締役技術センター所長 腰塚 哲夫氏

具体的な方向性や専門が決まっていない人は?

漠然と「環境の仕事がしたい」と思っている人、これから専門領域を決めようと思っている人に参考になりそうなのはこちら。

倉橋: 環境だけでは広すぎるので、言われた方も「環境の仕事がやりたいです」と言われて、「何がしたいの」と聞いたときに、そこで何が出てくるのかですね。(後略)

佐々木: 環境は分野的にも幅広く、明確な定義付けもなかなか難しいと感じています。その反面で、どんな会社であっても環境と結びつけるということが可能な時代になっているのかなとも思っています。環境に関係したフィールドで働く機会、もしくはそれをアイデアとして持ったりするチャンスというのは常にあるのではないでしょうか。

環境省 総合環境政策局環境計画課 倉橋 征示 環境専門調査員・佐々木 梓乃 環境専門調査員

「自分自身が特定の社会問題や事業課題に対して、解決するんだという想いがあれば、全て環境ビジネス」という言葉が力強いです。

「環境ビジネス」というワードにまとめる必要は一切ないです。日本の産業は全て、諸外国から見て優れた環境ビジネスです。省エネであれ、品質管理であれ、あるいはCO2削減という最終的な環境評価を踏まえても、そこに逆行している産業は生き残れません。日本が資源・エネルギー小国であるにも関わらずこれを克服できる高度な技や関係性を持っている、むしろ自分自身が特定の社会問題や事業課題に対して、解決するんだという想いがあれば、全て環境ビジネスだと思います。プラスα自分が気づいた何かを解決したいとか役に立ちたいとか、世の中を良くしたいという社会命題こそ、結果としてその適応、克服が「環境ビジネス」につながると思います。

一般社団法人産業環境管理協会 製品環境部門 副部門長兼地域支援ユニット ユニット長 壁谷 武久氏

まとめ

というところでまとめますと、「何がしたいか」という想いと、それを実現するための技術を持ち、論理性とコミュニケーション能力を兼ね備えている人物が、環境ビジネスの中の人たちが求めている人材ということになりそうですね。

そして今の時代、環境に関連しない企業はないとも言えます。専門領域を深めつつ、しかし可能性を限定せずに、自分の想いを実現できる機会を探すことが、「環境の仕事」における就職・転職の成功の鍵となるのではないでしょうか。

その他、エコリクの「環境ビジネスで働く人に聞く!」では、環境ライターとして活躍する人、母語以外で環境の仕事をする人の体験談なども読むことができます。環境、エコの仕事がしたいという皆さんは、ぜひチェックしてみてください。

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